マイフェアレディ 知的老人好きはハマる

マイ・フェア・レディ スペシャル・コレクターズ・エディション[AmazonDVDコレクション]

感想、備忘録としてのブログです。ネタバレ一切配慮なしです。

「マイフェアレディ」

・ジャンル ミュージカルラブコメ

・あらすじ 言語学者が訛りの強い英語を話す貧しい娘をレディにしようとする。

・公開 1964年12月1日

・監督 ジョージ・キューカー

・脚本 アラン・ジェイ・ラナー

・主演 オードリー・ヘプバーン レックス・ハリソン

・音楽 アンドレ・プレヴィン

・配給 ワーナーブラザーズ

・受賞 アカデミー作品賞、監督賞、編曲賞、録音賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、男優賞、ゴールデングローブ主演男優賞

 

・セックス、ゴア描写 もちろん無し。安心して見られる。

・鑑賞媒体 ゲオレンタル

 

・惹かれた点

1.イライザ(オードリー)がとにかく可愛い。可憐で美しい。レディとして美しくなった場面はもちろんのこと、花売りとして生活し下品に悪態をついている描写も可愛らしい。
画面に写し出される彼女の全てから魅力が溢れている。

2.ヒギンズ博士が魅力的。堅物な老紳士。女性をバカにしている頑固者。その属性持ちを見られるだけで幸せ。

3.ピカリング大佐が癒し。なにかと衝突するイライザとヒギンズ博士のクッション役。優しい。

 

ストーリーや音楽も申し分ないのだが、やはりキャラ付けに一番惹かれたらしい。

 

・博士深堀り

 ヒギンズ博士は口ではついに言わなかったけど、イライザを公正な一人前の女性だと認めた。おそらく母の家で口論になったときにはっきりと気づいたのだ。

公正であり、自分と対等に成長した女性であると。

育てたのは自分であり、彼女の教師である。けれどもう自分の好き勝手に扱える女性ではないと知った。

悔しさ苛立ち、誰のお陰でそこまでになったんだという憤慨。それでも認めざるをえない。女なんて糞だと言い放っていた自分が、その成長を認めてしまった女性。彼女を育てることで自分もまた変化したんですよね。

「私はもう二度と貴方の前には現れない」と言われ、自分の中にある彼女への思いと、彼女の自立を思い知ることになってしまう。

自立したとたんに決別するなんて、教師としては嬉しいいけども男としてはなんとも切ない。

飄々とした、そして何事にも動じない紳士でパーフェクトな自分が、イライザが離れたことでここまで崩れてしまうとは思っても見なかったでしょうし、自分の中に起こった変化に戸惑っていたと思う。それははじめて感じる感情の大きな渦だったと思うんですよ。そして、そんな感情の渦の中帰ってきたイライザを見て彼は顔を隠すしかない。そこに隠した感情がどれ程大きくあふれるようなものだったかを想像するとかなりエモい。

そしてそんな表に出さない彼の感情を見透かしているように側にいるイライザ。

彼女もまた、博士と過ごした時間と教育がなければその境地に立つことは出来なかったはず。二人の積み重ねてきたものが実を結んだ結果だと思う。

 

・タイトルのマイフェアレディ

私の公正な女性(直訳)

自立した素晴らしい女性に「私の」とつけるところが、小さな独占欲と、羨望、憧れ、愛しさが詰まっていて最高によいです。